焦点 健康教育とヘルスプロモーション
ヘルスプロモーションにおけるエンパワーメントの概念と実践
清水 準一
1
1東京大学医学部附属病院看護部
pp.453-458
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900421
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はじめに
山崎(1996)が指摘しているように,近年,公衆衛生・保健活動においてパラダイムシフトが進んでいる。今回の健康教育とヘルスプロモーションの特集も,疾病構造やライフスタイルの変化,医療・保健・福祉におけるサービス利用者の主体性の重視といったこの数年の流れを踏まえたものであると思われる。
エンパワーメント(empowerment)はヘルスプロモーションの1つの特徴である「能力の人々への付与(enable)」,つまり,これまで行政や専門家の公衆衛生政策の対象にすぎなかった人々に,自らの態度や行動を自ら決定させ,変革してゆくための権限,手段,資源などを与えてゆくことを実現するための一手法として,北米を中心に研究と実践が熱心に進められているものである。
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