焦点 在宅ケアのアウトカム
在宅ケアのアウトカム研究—ケアの質管理プログラムの開発
島内 節
1
,
季羽 倭文子
2
,
内田 恵美子
3
,
田上 豊
4
,
亀井 智子
5
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科地域看護学
2ホスピスケア研究会
3日本訪問看護振興財団事務局
4三菱総合研究所
5東京医科歯科大学医学部保健衛生学科地域看護学
pp.377-394
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900414
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
わが国での在宅ケアが本格化し始めたのは,1983年の老人保健法の実施開始からである。行政サービスとしての訪問指導と医療機関からの訪問看護が同時に,また1992年から訪問看護ステーションがスタートした。これらはそれぞれに対象やケア内容が多少異なっているが,いずれにしても共通課題は,在宅ケアの量的拡大が主目的であった。したがって各機関で類似状態の事例に対応していることも多く,対象者を区分したケアを確立するには至っていない。
在宅ケア開始が高齢者の増加に対して遅れたことにより量的対応に追われ,多様化が進む中で在宅ケアの確立・拡大のための研究が主流を占め,本格的で体系的な在宅ケアのアウトカム研究は,これからであり,まだ緒についたばかりである。そのため現在のところ評価という研究テーマであっても,それはアウトカム評価研究でないことが多い。したがって,わが国の在宅ケアのアウトカム評価研究を体系立てて解説できるほどの実績はまだないと言わざるをえない。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.