連載 調査研究向上のために・8
看護調査研究の実際—統計編②:χ2検定の使い方と検定の意味
河口 てる子
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.163-169
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900392
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前回は「相関係数」を使っている場合の「検定」について少し触れました。その内容は,相関関係を相関係数で言いたくても,検定で危険率が5%以上と出てしまったら,相関係数を記載するのをあきらめるしかないということでした。この危険率5%以上というのは,もし「相関係数0.23の相関関係がある」と言ってしまったら,それが間違っている確率が5%以上あるということであり,危険率5%以上のものは,統計上認められないという約束事(慣例)であるからでした。逆に言えば,間違っている確率が5%未満(p<0.05)と出れば,「相関係数0.23の相関関係がある」と言ってもいいことにしましょうという約束事でした。
このような約束事がある「統計的検定」というものは,どのように解釈して使えばいいのでしょうか。「検定とは」から始まる統計の説明は後回しにして,まずχ2検定の実際的な使用方法から説明を開始し,検定結果の読み方・書き方(表記の仕方),使用時の注意事項,検定の意味,そして最後に本来的な統計的検定の考え方とその他の解釈に関する議論等を説明することにしましょう。
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