連載 調査研究向上のために・3
看護実践に即した調査研究計画の立案—実践編①:概念枠組みから調査票まで
河口 てる子
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.261-265
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900349
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●枠組み作成までの手順
前回,一般に科学的研究と呼ばれているものは,現象を単純化(モデル化)し,そのモデルが現実の現象に適合しているかどうかを検証する過程であると説明しました。調査研究の実践編では,看護の臨床現場での現象をモデル化し,調査という研究方法を使って,そのモデルを検証する過程を実践的,具体的に述べることにします。実践編手順の最初のステップは,臨床現場での現象を整理,分類し自分なりのモデルを考案することです。ステップ2は,作成したモデルと既存理論・先行研究を比較検討し,その類似性や相違を明確にします。ステップ3では,既存理論をそのまま使う,修正して使う,あるいは独自に作成したモデルを使う,の決定を行ないます。この過程は,とりも直さず研究の概念枠組み(調査枠組み)を完成させる過程です。ステップ4・5は,調査票の作成と改正になります。
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