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特集 看護教育における教育方法 Clinical Judgementはどのように育てられるか
文献
意思決定における要因としての課題の複雑性と看護の専門的知識
Task Complexity and Nursing Expertise as Factors In Decision Making
Sheila A. Corcoran
1
,
小島 操子
2
1Minnesota大学看護学部
2聖路加看護大学
pp.451-458
発行日 1990年9月15日
Published Date 1990/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900271
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この研究は,さまざまな複雑性をもつ3名の患者ケースに対して,6名の熟練看護婦と5名の新人看護婦が用いた計画立案の初期アプローチおよび全体的アプローチを記述分析するために,情報処理アプローチと言語的プロトコール法を用いたものである。各対象者が用いた初期アプローチは,どの患者ケースに対しても大きな変化はなかった。ほとんどの熟練看護婦は,一貫して広範な初期アプローチを用いたが,新人看護婦の用いたアプローチには明確なパターンは証明されなかった。全体的アプローチに関しては,熟練看護婦はケースの複雑さに応じてアプローチを変化させていたが,新人看護婦は同じアプローチを用いていた。ほとんどの熟練看護婦は,より複雑なケースには便宜主義的な全体的アプローチを用いていた。つまり,彼らは計画立案のプロセスで,与えられたケースの要点に合致することは何でも取り入れながら,いろいろなアプローチを試した。しかし,あまり複雑でないケースには,系統的な全体的アプローチを用いていた。それに対して,ほとんどの新人看護婦は,すべてのケースに便宜主義的な全体的アプローチを用いていた。用いられた全体的アプローチと展開された計画の質の間には関連性はなかった。結果は,Hayes-Roth, B. とHayes-Roth, F.(1979)の計画立案認識モデルを支持するものであり,結論は,課題それ自身が,意思決定行動の主要な決定因であるという情報処理に関する文献と一致した。
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