焦点 老人ケアの教育とカリキュラム
解説
介護福祉士教育における老人ケア
山崎 摩耶
1
1帝京平成短期大学福祉学科
pp.518-523
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900224
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介護福祉士制度の発足
1988年制定の「社会福祉士及び介護福祉士法」により介護福祉士が誕生して7年目を迎える。この法律は第1条に「この法律は,社会福祉士及び介護福祉士の資格を決めて,その業務の適性を図り,もって,社会福祉の増進に寄与することを目的」として制定された。この法律で介護福祉士とは,「介護福祉士の名称を用いて,専門的知識及び技術をもって,身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき,入浴,排泄,食事その他の介護を行い,ならびにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう」と規定されている。医療職が業務独占であるのに比べ,この介護福祉士は名称独占の職種である。
介護福祉士は,高齢化社会のケアニーズの増大とその質的保証から生まれた制度であるとも言える。これまでの施設や在宅で要介護老人の介護を担ってきた多くの“素人”ケアワーカーたちに,専門職としての教育の道と国家資格を与えたことは,本格化する高齢社会の老人ケアに大きな展望を切り開いたことにもなる。
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