焦点 老人ケアの教育とカリキュラム
解説
社会福祉士の資格取得状況と教育について
木下 康仁
1
1立教大学社会学部
pp.524-529
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900225
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はじめに
社会福祉士という国家資格は導入されてから日が浅いこともあり,資格者数もまだ少なく,現時点では制度的にも社会的にも完成された段階には至っていない。したがって,養成機能の拡充と資格者数の増加,そして,それによる,この国家資格の社会的定着化が当面の課題となっているのであるが,近い将来この専門職集団が福祉領域において重要な役割を担っていくことはほぼ確実とみられる。
社会福祉士が介護福祉士とともに国家資格化された背景には,高齢人口の急増という社会的事態に対応するため福祉領域において専門的マンパワーを確保する必要性があった。加えて,福祉サービスのあり方が従来の施設収容型から地域・在宅型へと移行しつつあるなかで,社会福祉士の活動は単に福祉領域だけではなく保健・看護・医療領域との連携や,地域社会におけるサービス調整などを包括していくものと期待されている。
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