文献展望
看護ケアの質の評価に関する文献検討
近澤 範子
1,2
1兵庫県立看護大学
2看護ケアの質の評価基準に関する研究会
pp.324-333
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900211
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はじめに
近年,ますます多様化の傾向にあるヘルスケア・ニーズに対応するため,あるいは増大する医療費の抑制政策の一環として,わが国においても病院の医療サービスの質に関する評価への取り組みが始まっている。看護職の内部でも,専門職としての看護の質的向上をめざして,病院における看護の機能に関する自己評価マニュアルが日本看護協会によって作成され41),普及が図られるなど,看護ケアの質に関する自己評価活動への啓発がなされるようになってきた。
しかしながら,自己評価マニュアルによってチェックしたデータから看護ケアの質をどのように判断評価しうるのか,その基準は必ずしも明らかではない。また,看護ケアの質の評価とは本来,患者に対するケアの成果にどのように反映しているかという観点を抜きには論じられないものであるが,その意味では,客観的に看護ケアの質を測定・評価し,その成果との関連性を提示することができなければならないし,それを検証しうる測定用具が開発されなければならない。
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