文献展望
小児看護における質の保証に関する文献検討
大﨑 富士代
1
,
鈴木 真知子
2
,
村田 恵子
3
,
岩井 さよ子
4
,
亀谷 文子
4
,
片田 範子
5
1兵庫県立看護大学
2滋賀医科大学医学部看護学科
3神戸大学医療技術短期大学部看護学科
4兵庫県立こども病院看護部・病棟
5兵庫県立看護大学
pp.545-555
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900229
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はじめに
1960年代にアメリカでは看護ケアの質の保証に関しての取り組みが始められた。これには,医療事故などの訴訟問題や施設のコスト効率などが関係しており12),この概念は近年,日本に導入された。しかし,看護のケアの質とは何を測定することによって評価できるのかが明確になっていないのが現状である。その中でも,子どもを対象としたケアについては,立ち遅れており,欧米においても小児領域のケアの評価には成人用に作成された尺度を用い,研究論文数も十分ではない。
日本では,小児人口が減少しているものの,入院する小児の数が減っているわけではなく,加えて疾病の複雑化が進んでいる。そうした状況の中で,現状にあった小児へのケア提供を保証していく必要がある。今回,小児領域での看護ケアの質の要素を明確にすることを目的に文献学的検討を行ない,そこでいくつかの示唆を得,今後明確にすべき課題が明らかになったので報告する。
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