特別寄稿
救急医療における質の評価
有賀 徹
1,2,3
,
井上 徹英
1,2
,
上嶋 権兵衛
1,2
,
坂本 哲也
1,2
,
益子 邦洋
1,2
,
山本 修三
1,2
,
梅里 良正
2
,
鈴木 荘太郎
2
,
伊藤 弘人
2
,
前田 幸宏
2
1日本救急医学会診療の質評価指標に関する委員会
2日本病院管理学会クリニカルインディケータの開発に関する研究班
3昭和大学医学部救急医学講座
pp.690-696
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903063
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米国では,1910年代から外科医療の質を予後によって,すなわち最終的な結果によって評価しようという主張があり,その後評価対象は構造といういわばハード面への間接的な評価へと変遷したが,1919年に米国外科学会が採択したMinimum Standardsによる病院の認定は,1950年には全米の半数以上の病院に達した.そのような米国外科学会の活動を基に,米国内科学会,米国病院会,米国医師会などの協力により,1951年に病院認定合同委員会(Joint Commission on Accredita-tion of Hospitals;JCAH)が設立された.それは1987年にJoint Com-mission on Accreditation of Health-care Organizations (JCAHO)として今日に至っている1).
一方,わが国での医療の質を評価しようとする方法として,昭和62年(1987)に厚生省と日本医師会とにより「病院機能評価マニュアル」が刊行された.そして,同年に客観的な第三者評価の必要性から,東京都私立病院会青年部会によるJCAHO研究会が組織された.そして,それは「自由競争社会にあって,医療は特別なものでなく,社会の中でどう評価されるか」が重要であるという認識により,会員病院の見学会を通じて平成2年(1990)に「病院医療の質に関する研究会」の設立へと発展した.
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