焦点 ヒューマンセンサー(感性)に関する看護研究
研究
身体に接触する器具の温度に関する研究—(第1報)便座保温の有無とトイレ・イメージの変化
池田 敏子
1
,
近藤 益子
1
,
高田 節子
1
1岡山大学医療技術短期大学部看護学科
pp.443-447
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900156
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人の感覚はさまざまな因子に影響され,同一のものが何らかの条件により,良くも悪くも感じられることがある。例えば長さにおいては,ミュラー・リヤーの錯視の例が示すように同一の長さの線が先端の矢印の向きによって長く見えたり,短く見えたりする。視覚においてこのような現象が起こる。同様にその他の感覚においても類似のことが起こると考えられる。
このことは看護をする上で大変重要なことを意味している。というのは看護においてしばしば直面する痛みや苦しみ,またその苦痛の時間等は何らかの条件により,より軽く,より楽に,より矩く感じることが可能であるとともに,反対にそれらをより強く,長く,感じる結果となることもありうるからである。
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