研究
妊娠と保温
清水 すみ江
1
1日赤産院助産婦学校教務
pp.6-8
発行日 1957年8月1日
Published Date 1957/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201312
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人間は周囲の寒暖とは無関係に自分が体温を常に一定の温度に保つている.衣服を着て又家に住んで体温の保持と調節に努めているので温度に対して敏感である.温度に対して敏感な感覚を持つ人間が妊娠した場合は一層温度の影響を受けるであろう事は想像出来る.その妊婦を取扱うところの助産婦が気温,室温,器械,薬液の温度,自分の手の冷温等については特に注意すべき事である.次に助産婦が妊婦を指導する場合について考えて見ると,妊婦が時時流早産の徴候にて病産院を訪れる原因について考えて見た時,その中には寒冷によるものもあるから妊娠中は特に保温と云う事が必要になつてくる.冬季は周囲が寒いので保温に注意するが,夏季はその反対であるのでうつかりし易い.例えば寝冷え,長時間の扇風器使用,薄着,発汗による身体の冷え等が考えられるので妊娠した方は腹部や腰部を保温するように注意する事が肝要である.
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