特集 ヘルスヒューマニティーズと看護
ヘルスヒューマニティーズの意義と看護における可能性
趣味のself-cultivation性—「生涯学習」の再考に向けて
歌川 光一
1
1聖路加国際大学大学院看護学研究科
pp.606-610
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202048
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1.「生涯学習」のニュアンス
内閣府による「生涯学習に関する世論調査」(令和4年7月調査)では,「あなたは,この1年くらいの間に,月に1日以上どのようなことを学習しましたか。(○はいくつでも)」(下線は引用者)という質問について,「仕事に必要な知識・技能や資格に関すること」40.1% ,「健康やスポーツに関すること」31.3% ,「料理や裁縫などの家庭生活に関すること」23.1% ,「音楽や美術,レクリエーション活動などの趣味に関すること」22.9% ,「インターネットの知識・技能に関すること」20.4% ,「学習していない」24.3%,という結果となっている。ちなみに,「教育・生涯学習に関する世論調査」(平成27年12月調査)では,「あなたは,この1年間くらいの間に,生涯学習をしたことがありますか。この中からいくつでもあげてください。」(下線は引用者)という質問について,同じもしくは似た項目の結果を示すと,「就職や転職のために必要な知識・技能」4.6%,「健康・スポーツ」21.0%,「家庭生活に役立つ技能」7.7%,「趣味的なもの」18.8%,「情報・通信分野の知識・技能」3.3%,「生涯学習をしたことがない」52.3%となっている。
「生涯学習に関する世論調査」(令和4年7月調査)と「教育・生涯学習に関する世論調査」(平成27年12月調査)は単純比較できない。その理由は,前者の調査概要にも記されているように,前者は郵送法で行われたのに対し,後者は調査員による個別面接聴取法で行われ,調査方法が異なること,また,調査対象者も,前者は20歳以上であるのに対し,後者は18歳以上となっていることである。
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