特集 ヘルスヒューマニティーズと看護
聖路加国際大学の取り組み
—〈立教大学との学部合同開講科目〉—「いのちを健康で彩る智慧(Health Humanitiesへの招待)」の概要と意義
菊田 文夫
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1聖路加国際大学大学院看護学研究科
pp.584-592
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202045
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はじめに
健康は,世界の平和と安全を達成するための礎である,という理念のもとに,2022年度から,立教大学全学共通カリキュラム運営センターと協働して新たな教養科目を開講した。「いのちを健康で彩る智慧」と題したこの科目は,人間の「いのち」を彩り,輝かせてくれる「健康」に関する智慧を,受講生1人ひとりが主体的に育むための学びの場として位置づけている。
そこで,この科目では,様々な学問を専門とする有識者から,リベラル・アーツとして語られる基礎的な講義と受講生同士のディスカッションを通して,すべての人々の健康を実現するための方策と実践について深く考える場づくりに努めた。さらに,在籍する学部や世代の異なる受講生が学びの場を共有することによって,様々な視座から湧き起こされた自由闊達なディスカッションが実現した。本稿では,受講生から提出を受けたリアクションペーパーから読み取れる授業の効果について紹介するとともに,自らの生きかたにヘルスヒューマニティーズ(Health Humanities)の思想を芽吹かせるための方策について述べたい。
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