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概要
診療ガイドラインは,「診療上の重要度の高い医療行為について,エビデンスのシステマティックレビューと総体評価,益と害のバランスなどを考量して,患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書」と定義されている(日本医療機能評価機構,2017a)。わが国でも公益財団法人日本医療機能評価機構の医療情報サービス(Medical Information Network Distribution Service:Minds)のウエブサイトを通じて,250以上の最新版が公開されている(通称「Mindsガイドラインライブラリ」:https://minds.jcqhc.or.jp/)。
The AGREE Reporting Checklistは,AGREE IIを基盤にしたチェックリストで,臨床実践ガイドラインを報告する際の指針とすることを目的として開発された。開発の経緯を簡単に説明する。ガイドラインの質自体が,ガイドラインが臨床にもたらす利益に関与するという理念のもと,ガイドラインの質のバラつきをなくし,質を向上させるために,The Appraisal of Guidelines for Research and Evaluation(AGREE)共同体が結成された(AGREE Collaboration, 2003)。そして,ガイドライン作成過程の方法と透明性を評価する6領域23項目からなるAGREEを2003年に公開した(AGREE Collaboration, 2003)。その後,共同体の一部のメンバーがThe AGREE Next Steps Consortiumとして残り,2009年にAGREEを改定したAGREE IIを公開し(Brouwers et al., 2010a;2010b),さらに2016年に,The AGREE Reporting Checklistを公開した(Brouwers, Kerkvliet, & Spithoff, on behalf of the AGREE Next Steps Consortium, 2016)。
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