特集 若手研究者育成のさらなる進展─海外大学の視察を中心に
日本の看護学研究と東京大学医学部附属Global Nursing Research Centerがめざすもの
山本 則子
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1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻高齢者在宅長期ケア看護学/緩和ケア看護学分野
pp.153-155
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201359
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この特集では,日本の看護学研究の明日を見はるかす参考にするために,アメリカとカナダの看護系大学および米国国立衛生研究所(National Institute of Health)の看護研究センター(National Institute of Nursing Research;NINR)で,私どもが見学・学習した内容をまとめた。いずれの大学も,若手研究者の育成に多大な時間とエネルギーを費やし,看護学が未来に向けて発展できるよう壮大な投資を行なっていた。大学・研究センターの運営は,研究費の再獲得が計画的になされるように戦略的に行なわれていた。さらに,患者の最も身近にいて,その安寧の確保・維持に努めるという看護の第一のアイデンティティを武器として研究戦略に位置づけ,多くの他領域の研究者の信頼と協力を得ていた。
今回の訪問で気づいたことは,このような各大学の取り組みを,国内の大学が相談し合い,相互協調的・発展的に展開しているという点だった。訪問したのはいずれも北米の主要な研究中心型の大学だったが,ある大学の学部長は,私たちが次の来訪先を告げると,そこの学部長をよく知っている様子で,頻繁にコミュニケーションをとっていることがうかがわれた。
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