書評
わが国の医学の進歩にきわめて重要な役割を果たす良書
髙久 史麿
1
1日本医学会
pp.529
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201308
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著者の郡先生は泌尿器科学を専門とされておられ,そのご業績に対して紫綬褒章をはじめ,数々の賞を受賞されておられるが,その中に,2004年に受賞された,「尿路結石症の病態解明と予防法への応用研究」と題する論文に対する日本医師会医学賞がある。私はそのとき,日本医学会の会長として医学賞の選考に携わったが,この医学賞は日本医学会に加盟している基礎・社会・臨床のすべての分野の研究者から申請を受け,その中の3名だけに受賞が限られるので,泌尿器系の先生が受賞されるのは珍しいことであった。そのため,郡先生のことは私の記憶に強く残っていた。その郡先生が上記の題で200ページ近い本をご自身で執筆されたことは,私にとって大きな驚きであった。
この本は「研究の楽しさ,美しさ」「科研費の制度を知る」「申請書の書き方」「見栄えをよくするポイント」の4章に分かれているが,特に第3章の「申請書の書き方」では実際の申請書の執筆形式に沿う形で,それぞれの項目において基本的に注意すべき点(基本編)と,実際にどのように書くか(実践編)について詳細に記載されており,科研費を申請される方にとってきわめて有用かつ実用的な内容となっている。
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