増刊号特集 看護と哲学─共同がもたらす新たな知
哲学を学びながら臨床現場で働く
三浦 智美
1
1静岡赤十字病院看護部・救命救急センター病棟
キーワード:
身体論
,
看護師
,
臨床現場
Keyword:
身体論
,
看護師
,
臨床現場
pp.285-292
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201261
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1.身体論との出会い
私は2003年から,身体論(身体の現象学)勉強会に参加している。当時の静岡県立大学看護学部の佐藤登美教授,奥原秀盛准教授(現文教学院大学保健医療技術学部教授),西村ユミ准教授(現首都大学東京大学院人間健康科学研究科教授)の声かけによって始まった勉強会には,大学および大学院の学生や教員,近隣の病院勤務の看護師などが参加した。
勉強会は毎回2時間程度で,参加者が身体論に関する書籍の担当ページを読み解き,プレゼンテーションを行なった後,意見交換をするという形式で行なわれた。最初に読み解いていったのは『精神としての身体』(市川浩,1975)である。1人で読んでも難解で,さっぱり頭に入らないばかりか眠りを誘う本だった。そもそも「身体論」については勉強会に参加するまで聞いたこともなく,それが哲学であるということさえ知らなかった。初回は,未知の領域ではあるが「誘われたから行ってみるか」程度の気持ちで参加した。
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