焦点 Crisis Theory
ケース分析・3
AguileraとMessickの問題解決モデルによる分析
佐藤 禮子
1
1千葉大学看護学部
pp.427-437
発行日 1988年10月15日
Published Date 1988/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200992
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Ⅰ.Aguilera & Messickによる危機状況における問題解決モデル1)の説明
人が,今まで経験したことのない事態に直面し,自らの力で対処することができない時,情緒的に混乱し,追いつめられていく。このような状況は,人の一生のうち,そう多く訪れることはないだろう。しかし,追いつめられた結果,心の傷を一生もち続けるようになったり,最悪の場合,人に危害を加えたり,自らの命を絶ったりといった結末で終わることもある。
Caplan2)は,「危機は人が大切な人生の目標に向かう時,障害に直面したが,それが習慣的な問題解決の方法を用いても克服できない時に発生する。混乱の時期,つまり動転する時期が続いて起こる。その間さまざまな解決をしようとする試みがなされるが,失敗する」とした。
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