Japanese
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特集 視覚障害のリハビリテーション
視覚障害者(中年層まで)の社会復帰
Adjustment of the Visually Handicapped.
岩橋 英行
1
Hideyuki Iwahashi
1
1社会福祉法人日本ライトハウス
1Nippon Lighthouse, Vice President, W.C.W.B.
キーワード:
視覚障害
,
社会適応訓練
,
職業教育
,
視覚欠陥学
Keyword:
視覚障害
,
社会適応訓練
,
職業教育
,
視覚欠陥学
pp.211-216
発行日 1975年3月10日
Published Date 1975/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103291
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歴史的展望
古代ギリシャのデモクリトスは,色,におい等感覚に属するものは実際に存するのではないといい,また,プラトンは,人間の牢獄とは視覚の世界であると述べている.ジョン・ロックは,彼の人間悟性論において,第1次特性と第2次特性を区別し,1次特性とは物体そのものであり,2次特性,色,音,味は感覚に映し出された映像であると述べている.こうした概念を基盤にして視覚を考えるならば,もともとそれは本質的に不完全なものとなる.しかし,不完全ではあるにせよ,その視覚が人間から除去された場合,本来の不完全な感覚は加速的に,より不完全とならざるを得ない.感覚器官に欠陥のない人間が,かかる意味において完全でないにかかわらず一応それを完全と思い,視覚障害者を不完全な対象とし,これを廃人として扱おうとしたところから視覚障害者の悲運な歴史が始まった.
10数世紀にわたり世界の各地において,視覚障害者たちは,乞食,廃疾者としてれんびん,施しの対象となり,ある特殊な人々を除いて慈善という形で庇護の対象となった.しかし,第一次大戦が終了し,慈善家,宗教家等の手によって盲唖学校,庇護授産所等が作られて,1954年を迎えた.
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