焦点 Attachment
解説
Bowlbyのアタッチメント(愛着)理論
三宅 和夫
1
1北海道大学教育学部附属乳幼児発達臨床センター
pp.298-302
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200978
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
序
今日,新生児期・乳児期における母子相互作用,母と子のきずな(bond)の形成ということが,多くの研究者によって検討され,それらが子どもの後の人格形成・社会的適応を考える上で重要であることが強調されている。
このような研究の発展において,大きな役割を果たしてきたのが,John Bowlbyのアタッチメント理論(attachment theory)なのである。ここではまず,どのような他の理論との関係から,またどんな時代的・社会的背景からBowlbyの理論が生まれてきたかについて,簡単にふれた後に,アタッチメント理論について,その概略を紹介し,最後に,この理論によって我々が母子関係と子どもの人格発達について考えるにあたっての問題点を少しあげてみたいと思う。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.