教材
助言の技術—カウンセリングの心理
阪本 一郎
1
1東京学芸大学
pp.17-20
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904186
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1.助言の意義
青年は,子どもとおとなの中間にいるので,これを「中間人」と呼ぶことがある。むかしは青年期というものがほとんどなく,子どもから一足飛びにおとなになったものであるが,今日には長い青年期がある。からだはもはやおとなになっているのだが,社会はかれらをおとなとしては待遇しない。一人まえのおとなとして扱われるまでには,精神的な面でもっと勉強しなければならない。それだけ今日の社会は高い教養を必要とする。
また現代は社会の変動がはげしく,これに適応していくのは容易ではない。そこで青年の非行や犯罪はふえる一方,またそうした形に現われない適応異常はすべての青年の胸中を悩ませている。そうした悩みを解決してやり,かれらの人格を健全に伸ばしてやることは,青年教育の上できわめて重要な意義を持つのである。
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