研究を志す人のために 素材論文
ベッドメイキングにおける標準時間設定に関する考察—習熟理論を用いて
氏家 幸子
1
,
山崎 昌甫
2
,
青木 和夫
3
1大阪大学医療技術短期大学部
2職業訓練大学校
3東京大学医学部保健学科
pp.318-335
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200840
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
現在の病院における医療サービスの提供形態は,医療技術の進歩や医療機器の開発等により,各種の検査や処置が増加するとともに,専門化・細分化されつつある。その結果,医療サービスの一翼を担う看護サービス部門においても,種々の変容をきたし,業務内容が拡大し,複雑多岐にわたっている。さらに,基準看護制度の実施を機に,看護職関係の人員不足や看護サービスの内容が問われるようになってきた。
このような状況の中で,さまざまな医療問題が派生してきており,その解決のために,米国においては,すでに1950年代より,タイム・スタディ法,ワーク・サンプリング法を用いた看護活動調査が行なわれている。1960年代前半に,それらの調査方法が我国にも導入され,今日までに数多くの看護業務調査が行なわれてきた。これらの業務調査は,看護業務量やその比率を求めることにより,必要看護要員数の算定や適切な人員の配置を考えると同時に,看護の質の向上を図ることを目的としている。しかし,その目的は,今日の状況を見る限り,必ずしも十分に達成されているとはいい難い。すなわち,求められた結果は,その施設のある種の実態を明らかにしたにすぎず,また,分類基準が不明確なために,他施設の同様の資料とも簡単に比較することができないといった欠点が指摘される。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.