焦点 看護研究における数量化の考え方
解説
教育学における数量化の歴史と問題点
池田 央
1
1東京工業大学
pp.185-189
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200654
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1.教育における数量化
"教育"というきわめて人間的な営みの中で,"数量化"ということは,いかにもなじみの薄い考え方のように思われる。しかし,それが原始的な形にせよ,また,かなりに高度な数学的手法を駆使するものにせよ,数字という形で,数を扱う作業そのものは,古くから教育の中に深くかかわりあっている。その代表的なものが,評価とか採点とか試験といった作業で,教育の中でもすこぶる重要な決定に参与しているといえる。
こうした作業を一種の数量化と考えるなら,教育における数量化はずいぶん古くから行なわれてきたといってよい。優良可とか,合否といった文字による成績評価も,それがある観点からみた一つの決定であり,分類であるかぎり,それはS. S. スチーブンスのいう順位尺度に基づく数量化と考えてよいかもしれない。
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