焦点 看護研究における数量化の考え方
座談会
看護における数量的とらえ方と問題点
波多野 梗子
1
,
広木 克美
2
,
山岡 和枝
3
,
神山 五郎
4
1日本女子体育大学
2新日鉄八幡製鉄所病院
3帝京大学医学部保健学科
4清恵会近江温泉病院
pp.190-202
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200655
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「数量化」とは
神山 今回のテーマの「数量化」ということに関して,看護あるいは看護周辺の学問をやっておられる方々がどんなふうに考えておられるか,現場も含めて,その辺まず波多野先生からお願いいたします。
波多野 私は,数量化というテーマをいただいて,「数量化」とは何だろうと調べてみました。社会学事典には,「知能や態度のような質的な特性を持つ対象を測定して,適当な形でその属性を数量に還元,尺度化し,数学的な操作を加えることをいう」というような定義が出ていました。この立場に立つと,知能や態度のような質的な特性を持っているから,本来,数量的には扱えないものを,それを数量的に扱うときに数量化ということになるわけです。しかし,私としてはそういうふうに限定した形では考えないで,むしろたくさんのデータを扱って,そして数量的な処置をするというような,どちらかというと,データの扱い方という程度に考えて出席させていただいたようなわけでございます。
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