焦点 看護における文献研究
解説
看護研究における組織的文献調査法
裏田 和夫
1
1東京慈恵会医科大学(付属図書館)
pp.94-103
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200644
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Ⅰ.最近,「文芸春秋」2月号の柳田邦男による"ガン宣告を越えて"を読んだ。癌末期患者に対するケアの欧米における総合的システムに感動を覚えたばかりでなく,彼がこの報告を書くにあたって,いかに広く,深く,そして綿密に文献を調査し,参照したかが想像され驚嘆した。
さて,看護学分野には論文を書く・まとめるための良い参考書が幾つかあるが,その一つに"研究のテーマが何であるとしても,文献を読むのは必須の条件となる。自分が追求しようとするテーマに関して,今までにどのような研究がなされているのか,どこまで問題が解明され,整理され,何が問題として残されているのかを知らなければならない。‥‥研究の成果は,過去に行われた業績の上に,さらに積重ねを行うことに真の意義があり,研究としての価値を生ずるのである1)"とある。ただ,それ等参考書のどれにも文献を探すための組織的な方法については十分に解説されているとは思えず,ここにその入門を試みることにする。
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