焦点 看護における調査研究
―その1―看護に活用できる調査法と研究への取り組み
近藤 潤子
1
1東京大学医学部保健学科母子保健学教室
pp.1-8
発行日 1971年1月15日
Published Date 1971/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200218
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科学者が自分たちの持つ問題を解こうとする場合,注意深く系統的にその事象を観察し,分析し,推論を導き,検証し,分類し,解釈するであろう。これが厳密に行なわれる場合に問題に対して科学的な接近法がとられていると言われ,それに基づいて信頼しうる知識を引き出し,それを現状と将来の目的に役だてることができる。
科学と呼ばれるにふさわしい"学"が何であるかについては論争の多いところで,高度の,十分に確立された知識を古くから持っているものについては異論なく認められている。しかしそれらと対象が異なっていたり新しく発達してきた領域に関しては,それが一つの"学"を形成するのか,他の"学"の一部に属するかなどの論議は増していくばかりである。看護がその論議の範ちゅうにあることは衆知のとおりである。科学がその対象を論じている限りでは,この問題に終止符を打つことはできないように思われる。
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