研究
特別養護老人ホームにおける看護婦と寮母の看護援助に対する認識の比較
村田 恵子
1
,
波多野 梗子
2
,
遠藤 千恵子
3
,
島内 節
4
1東海大医療技術短期大学
2日本女子体育大学
3東京都老人総合研究所
4国立公衆衛生院
pp.219-227
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200619
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Ⅰ.はじめに
近年看護は,職種やその専門レベルの異なるメンバーが参画し,それらのチームワークによって行われるようになってきた。特に,看護需要(量・質とも)の増加がいわれている老人看護の領域では,疾患の急性期や増悪期の入院患者を除けば,施設には看護婦は何人かはいるものの,日常の直接看護の大部分は,公式の看護の教育や訓練を受けていない無資格の看護者(寮母・ヘルパー)によって担われている。こうした現状において,より有効な看護を行うためには,看護チーム内でのこのような無資格の看護者の看護の水準を把握して,チーム内での位置づけや役割を明らかにしておく必要があろう。
看護の実践能力として最も重要なのは,単なる手技としての看護技術ではなく,意図的目標指向をもった看護の展開能力であろう。すなわち,看護を必要とする対象の状態を正しく把握した上で援助の必要性を決定し,目標に沿った看護を意図的に計画し,それに基づいて援助を行い,その結果を継続的に評価して援助の改善に役立てていく能力であり,看護の専門家としての看護婦にはこうした能力が期待される。
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