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面接時相互作用の言語計量による分析—看護活動の客観化をめざして
真船 拓子
1,2
1神奈川県立看護教育大学校
2元:鎌倉保健所
pp.199-208
発行日 1979年7月15日
Published Date 1979/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200583
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I.はじめに
家庭訪問や各種の面接場面で,保健婦と被面接者との間に生じる相互作用は,従来"いかに被面接者のニードを適確に把握し,そして精神的に深いかかわりを持つか"という角度から述べられることが多かった1)2)。それは心理学的に裏づけされるかもしれないが,ある面では保健婦の主観的感情も加味されることが予想される。
それでは,客観的な表現で相互作用を表わす方法はないものであろうか。心理学の分野では,面接者と被面接昔との発言所要時間や発言数の比率で相互作用を分析しようとする試みもある。例えば有海3),面接者と被面接者との会話をテープレコーダーで録音し,それをプロセスレコードに再覗し,その会話の語句をカナ女字とみて,1文字1文字をカウントして「言語量」を算出する。それを発言時間で除した商を「言語速度」と定義し,被面接者の言語速度を面接者のそれで除した商を「相互言語速度比」とも定義した。この速度比で,両者の相互作用を分析しようとするわけである。高田4),有海の技法を用いて,更に会話を話題別に分類したうえでの考察を重ねている。これらの研究は,数字,図表等を用いて表現しているので客観的に説得する力はあるが,それらのデークを考察する段階では著者の主観的手ごたえで裏づけしている。
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