焦点 排泄の看護に関する研究
座談会・2
排泄の援助に必要な研究課題—患者の願いと看護の視点
高橋 典子
1
,
登坂 有子
2
,
中村 ヒサ
3
,
中西 睦子
4
,
津田 佳世子
5
1互療会
2虎の門病院
3東京医科歯科大学付属病院
4神奈川県立衛生短期大学
5東京大学医学部保健学科
pp.294-306
発行日 1974年7月15日
Published Date 1974/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200398
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インタビューアーの報告を中心に
津田 まずこの座談会を始めるに先立って,実際に患者さんのなまの声を聞いてみようということでインタビューを企画しましたので,その結果がどんなふうに出たかを,中村婦長さんから聞かせていただきたいのですが‥‥。
中村 私のところではインタビューの期間中に実際に排泄のケアをしなくてはいけないような患者さんが少なかったものですから,普通の患者さんに聞いてみました。まず入院生活にどのぐらいで慣れるかということを聞いたんです。大体男女共に2〜3日ということでした。そこで入院時に必ず入院前の排泄の回数を聞いていますので,それと入院後3日間の排泄の回数を比較してみたんです。女の方5〜6人と男の方5〜6人でしたが,数では1回か大体2回ぐらい,尿のほうで多かったり少なかったりしますけれども,あまり差はないわけですね。便についても同じで,急に便秘になったり,急に下痢になったりというような特別なことはないようでした。それと,入院中の患者さんに毎朝"お小水何回ですか,便は何回ですか"とたずねるわけですが,そう聞かれることに対して抵抗がないかどうかを聞いてみたんですが,入院すればそういうことはされるという覚悟をしているらしくて,恥ずかしくはないということでした。ただ特に年をとった方は回数を覚えておくのが非常にたいへんだということでした。
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