患声患語
患者から医療従事者への願い
前田 幸男
1
1‘互療会’
pp.1130-1133
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917373
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手術の宣告を受けて
約1年間,排便後の微量出血が続きながら気にもとめずにいたところ,ある日突然,肛門から母指大の血塊状出血を見て,初めて腸内部の異状を感じた.横浜警友病院で診察を受けたところ,すぐ入院するよう勧告されたが,なぜか病名については判然と知らされず,ただ1,2か月の入院が必要とのことだった.
私にとって手術はもちろん長期入院は到底許されない当時の状況もあって,一度2,3日は考えさしていただくようお願いして帰宅したものの,途中ふっと思ったことは‘あるいはガンでは’という疑いであった.しかし,まさかそんなことは?という否定の思いが入り混じって落ち着かぬまま,更に有名な胃腸専門医の診察を受け,初めて直腸ポリープで,しかも相当大きくなっているからすぐ手術しないと今度出血したらもはや生命は保証できない,との宣告を受け,ある病院を紹介していただき,緊急入院となった.
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