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シンポジウム 看護における諸問題の調査へのアプローチと看護科学の開発
脅迫的事象への反応に対する患者の予測形成の効果
Effects of Structuring Patients' Expectations on their Reactions to Threatening Events
Jean E. Johnson
1
,
小野寺 杜紀
2
1ウエイン州立大学看護学部保健研究センター
2神奈川県立衛生短期大学
pp.36-43
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200329
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行動を説明する理論に関心をいだく心理学者は,それら諸理論を検証するために調査研究を用いる。一方,看護婦は,通常の場合,患者ケアの実際的問題に関心を持っている。これら2つの関心の間にある相違のゆえに,看護婦にして心理学者である人はディレンマにおちいってしまうのである。患者ケアに関係する諸問題を自覚すればするほど,実際的解決が必要とされる。他方,心理学における訓練は,理論的方向を持つ調査研究への熱心さを喚起し,そのような調査研究のための道具を提供することになる。看護婦にして心理学者である人は,これら両方の世界に関心をいだいているので,みずからの調査研究を論理的にしようと努めるばかりでなく,患者ケアへの実際的妥当性を持つようなものにしようと努力する。
わたくしの特別な研究上の関心は,脅迫的事象への諸反応に関係している。患者が健康の維持,疾病の診断および治療に対して経験する多くの過程は,脅迫的なものである。苦悩distressは脅迫を受けつつある際の一般的反応である。患者がある医療過程を通る際に苦悩を経験するのは不必要なことであるので,この苦悩を最小限にとどめるのが望ましい。
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