特別寄稿
看護学=人間科学ノート
千葉 康則
1
1法政大学人間科学研究所
pp.279-287
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200257
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看護学論への取り組み
私がはじめに看護学試論を発表したのは1965年であり1,2)『看護=人間科学論』を単行本として発刊したのは1968年である3)。私が医学徒であり,看護学院の講師であることを除けば,私は看護にとって全く部外者であるから,看護学に興味を抱いたのは主として看護の外からの動機によるものであった。
しかし,このような部外者の主張はその後数年間,看護界の人々によってたいへん好意的に迎えられた。つまり,こういう部外者の主張が検討されたというだけでもありがたいことなのだが,きびしいけれどもあたたかい批判や疑問がきわめて真剣に提起されたことは,私にとってはきわめて光栄なことというべきだろう。つまり,私の試論がきわめて不完全なものであることを承知のうえで,その中に少しでも役にたちそうなことがあれば,それを吸収しようと努めてくれたのである。私が看護界の人々と真剣に接触する機会を持つようになったのはそれからのことで,看護学について深刻に悩んでおられる人々と,個人として,あるいはグループとして知り合うようになった。
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