焦点 隣接諸科学における基礎的文献
教育心理学の基礎的文献
豊口 隆太郎
1,2,3
1相模女子大学
2国立相模原病院付属高等看護学院
3神奈川県立病院付属高等看護学院
pp.107-110
発行日 1971年4月15日
Published Date 1971/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200231
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教育心理学は,20世紀にはいってからようやく形成された学問である。特にわが国では戦後めざましく発展し,その研究者ならびに業績が飛躍的に増大するにいたった。現在では,教育心理学は言うまでもなく一般心理学の基礎の上に立ってはいるが,単なる二次的学問ではなく,独自の領域と方法を持つ独立した経験科学としての地歩を確立した。
教育心理学の領域は研究者によって多少の意見の相違はあるが,およその次の四つである。すなわち,(1)発達,(2)学習,(3)人格,(4)評価である。これらのほか教育心理学の性格上,当然取り上げなければならないものとして,(1)学級,(2)カウンセリング,(3)問題児,(4)教科指導,(5)教師の人格などをあげることができる(これらの領域は,上記の四つの領域の中に含めて取り扱うこともできるが)。要するに教育心理学は,人間(子供)の能力の開発を目ざし,教育効果を高めるための理論的基礎と実践的方法とを研究する学問であると言える。
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