母子の分離による影響

Separation

　昨年秋某病院に小児看護関係の調査を依頼していたので，そこにその調査の説明かたがた看護研究の話をしに行った。もとより調査を引き受けてくださるくらいであるから，看護研究にはたいへんな関心を持っておられ，勤務外のまったくプライベイトな集まりだったにもかかわらずきわめて熱心なかたがたが十数人集まっておられた。話が終わったあとで更に残ってくださった数人のかたがたと実践の中で研究をすることの困難さが話題となり，「研究する際に文献を捜して，これまでどのような研究があるのかを見ようとしても，そのために時間がかかるし十分には捜しきれない。これまでにどのような研究があって，その結果どのようなことが言われているのか，だれかまとめておいてくださるといいのだが，そのようなことはだれがするのですか。実践に当たっている看護婦にはむりだし…」という話が出た。たしかに看護の研究は看護の雑誌に出るものだけではなく，医学関係，心理学関係の研究と密接な関係があるし，それらの文献を実践についている看護婦が捜そうとしたらたいへんである。

　そのような意見を聞いたあと，小児看護の調査のまとめをしようとしているときに手にはいったのが本書であった。