Japanese
English
特集 実践科学としての看護学のための理論
第II部 実践理論
理論家としての実践者
The Practitioner as Theorist
Rosemory Ellis
1,2,3
,
小林 富美栄
4
1カリフォルニア大学
2シカゴ大学
3Case Western Reserve University
4東京女子医大看護短期大学
pp.376-383
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200206
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
ガリバーは雲の中の浮島ラピュータを旅行したとき,魂をこの世から運び去られた理論家たちが,役にたたない考えを組みたてることに右往左往しているのを見つけた。これはまた,一般的にわれわれが理論家について考えるところでもある。しかし,筆者は看護の理論家は象牙の塔の思索家ではないと言っている。すなわち,看護の理論家たちは患者のために直接に働く看護婦である。われわれは意識的にそうしているかどうか,いずれにしても看護婦は各患者に対して,説明し,接近方法を選択し,それを活用し,修正し,また拡大している。ある領域における理論はその領域がとる方向に対して,強力な影響を長期にわたって及ぼすものであるから,たとえば,すでに存在しているTLCのようにははっきりしていないが,看護に必然的に含まれている看護理論を明瞭・明確にするためにわれわれは苦闘しており,それによって看護はよりすぐれた臨床看護に発展するものであると筆者は述べている。
看護は応用科学といわれている。このことは,基礎科学からの知識の応用ということを意味する。しかし看護,あるいは看護の実践はそれ以上の何かである。単に基礎科学の知識をうつすということではない。看護婦は化学・人類学・社会学を実践するものではない。自分の習得した基礎科学の知識をふるい分けて,選択し,応用し,かつ推論しなければならない。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.