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特集 実践科学としての看護学のための理論
第I部 一般理論
シンポジウム"看護における理論開発"
理論開発における研究の役割
Researching Research's Role in Theory Development
James Dickoff
1
,
Patricia James
1
,
前原 澄子
2
1エール大学
2元:東芝病院
pp.298-300
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200197
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理論開発にとって,研究以外の何が必要であろうか。このような問題には,次の2点が含まれているから,次にその2点を指摘してみる。第1に,研究だけが理論を生み出すものではない。第2に,研究なしで生まれた理論――あるいはむしろ現実の経験を適切に取り込まずに生み出された理論――には,その理論が成長していくという希望はほとんど期待できない。
理論開発にとって研究以外に何が必要であるか,という問題をかかげたのは,われわれ哲学者は諸理論の理論theory of theoriesというものをもくろんできたからである。Socratesや,もっと最近ではDeweyの言い伝えによると,哲学者たるものは,単に学者というだけではなく,実践家という立場にあるのである。つまり,哲学者としてのわれわれは,理論がどのようなものであって,その理論のレベルがどの程度であるかということを,ただ書きしるすということをこえたとこうにまで目標をおいているのである。われわれのねらいとするところは,理論家にとっての実践理論を構成する諸理論の理論を作ることである。種種のレベルの理論の構成要素の概要を単に書くだけでなく,自称理論家たちを導き,諸理論の理論の知見をもって仕事ができるようにするために必要なものは何であろうか。たしかに,はじめはこの単なる最後にできあがった概要のアウトラインだけでも仕事はなされていた。
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