研究者とともに
「結核患者の継続看護—臨床看護と公衆衛生看護の連けいについて」をめぐって
島尾 忠男
1
,
小嶋 謙四郎
2
,
野崎 かね
3
,
赤井 和子
4
,
松野 かほる
5
1結核予防会結核研究所
2早稲田大学文学部心理学実験室
3千葉県社会部・国保課
4宮城県立公衆衛生看護学校
5国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.21-47
発行日 1969年1月15日
Published Date 1969/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200120
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
司会者のことば
このレポートは国立公衆衛生院専攻課程看護学科の4学生(昭和42年度)が結核看護を選択し,そのなかで表記のテーマについて研究した結果をまとめたものである。臨床看護と公衆衛生看護の連けいは,治療を中断し,退院してしまう患者を再び療養生活の軌道にのせるうえに欠くことができないという考えから,今後どのようにしたら両者の連けいが図られるかを追求したものである。この研究は医療機関と保健所の担当者から資料を得,さらに事例と面接し,結核の医療体系および看護上の問題や事例の内面的な問題について考察を加えている。できれば,これらの考察がはたして適切であったか,樹立した今後の対策は有効であったかなどを検証してほしかった。しかし先にも述べたようにこのレポートは,公衆衛生院専攻課程看護学科の教科の一つとして実施されたものであり,時間的な制約や自己の担当事例ではなかったという事情などから,資料の収集や分析のしかたなど事例研究の方法について学んだにとどまったことはやむを得ないことと考える。
看護・保健指導の過程において,あるいは終了後,事例をあらゆる面から解析することは,その事例のもつさまざまな問題,およびそれに対する看護(援助)のあり方を学ぶうえにぜひとも必要なことであり,このような努力が,より実際的な看護活動を推進する源となる。その意味で,この試みを大いに推奨したい。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.