特集 臨床看護師が取り組む研究モデルの探究
研究モデルの提案
坂下 玲子
1
1兵庫県立大学看護学部
キーワード:
研究モデル
,
臨床看護師
,
看護実践報告
,
事例介入研究
Keyword:
研究モデル
,
臨床看護師
,
看護実践報告
,
事例介入研究
pp.679-685
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100723
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はじめに
臨床看護師が取り組む研究デザインは実態調査・横断研究が多く,そのデータ収集法は自記式アンケートのことが多い。実態調査は,実験的操作を行なわずに自然状況を観察し,何が生じているかという現象を量的に記述することを目的とした研究である。
実態調査を有意義に実施するためには,母集団から適切な標本集団を抽出する方略が必要であり,ある程度の数が揃ってこそ意味がある。それでもなお,各種官庁調査を数多く手掛けてきた林(1984)は,実態調査の結果は“実態”を表わしているのではないと述べ,質問の仕方によってさまざまな数字が出てくる,と警告するほど,実態調査は難しい。実態調査は,一病棟で実施される研究法としては一般的に不適切であると考えられる。
それならば,臨床現場において,取り組んで意味のある研究モデルとしては,どのようなものがあるのであろうか。残念ながら明確な答えは得られていない。しかし,今回の研究プロジェクト(坂下,2012)を通じて,以下のようなモデルを提案したい。
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