焦点 看護学におけるケアリングの現在
看護学におけるケアリングの現在―概説と展望
筒井 真優美
1
1日本赤十字看護大学
キーワード:
ケアリング
,
看護
,
ケアリング環境
Keyword:
ケアリング
,
看護
,
ケアリング環境
pp.115-128
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100504
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ケアリングの動向
ケアリングが注目されるようになったのは,1971年に哲学者Mayeroffの『ケアの本質(On Caring)』が出版されてからである(表1)。看護学では,1978年にLeininger,1979年にWatsonが著書を出版し,1980年代には教育学者のNoddingsがケアリング関係について概説した。看護学ではGautがケアリングを分析し,Bennerが『The Primacy of Caring』(1989)でケアリングの意味を追求した。1990年代には,Morseが看護学のケアリングに関する概念分析を行なったのを皮切りに,RoachやSwanson,Montgomery,Kuhseらも続き,2000年代に入ると,BoykinとSchoenhoferや,フィンランドのErikssonが,ケアリングについての理論を発表した。また,Watsonがケアリングに関する21の測定用具について発表した(2001/2003)。
CINAHL Plus with Full Textで,1980~2009年の「caring & nursing」に関する文献数の推移(表2,図1)をみてみると,1980年代に約670だった文献数が,1990年代には約4000となり,2000年代にはさらに約6600と急激に増加し,研究内容も患者─看護師関係,学生─教師関係だけでなく,文化,組織など環境への広がりをもちはじめて現在に至っている。
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