焦点 看護学におけるケアリングの現在
扉
筒井 真優美
1
1日本赤十字看護大学
pp.112-113
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100503
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1993(平成5)年,本誌にて「看護におけるケアリングの概念」という焦点が組まれて,はや18年が過ぎます。その間にケアリングは,看護の本質として位置づけられてきました。1993年当時は,「ケア」と「ケアリング」は同義に使用されていましたが,現在は「ケアリング」として独立しています。
ケアリングが重要視されるようになったのは,哲学者のMayeroffの『On Caring(ケアの本質)』(1971年)が出版されてからです。看護学の学会には,1980年頃から登場するようになりました。「相手の自己実現への援助だけでなく,援助者もまた援助することによって自己実現する」というケアリングが,ベトナム戦争,湾岸戦争で疲弊した米国医療スタッフの救いとなりました。
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