書評
実践─研究─教育の絆を深める理論
手島 恵
1
1千葉大学大学院看護学研究科
pp.77
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100422
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マーガレット・ニューマンの理論の本は,手にした瞬間に,「なぜこの表紙なのか?」と,驚きと不思議な感覚にとらわれる。この本も然り。その答えは,本書の62ページに書かれているので,ぜひ,楽しみに読んでいただきたい。
本書の素晴らしさは,単に英語の著作を日本語に翻訳したことを超えている。監訳者の遠藤先生を中心としたニューマン理論・研究・実践研究会の方々が何度も渡米して,ニューマンと対話の機会を実際にもたれたり,ニューマンの理論を,日本での実践を通して発展させ研究した内容が本書に引用されたりしているのだ。これは,欧米で開発された看護理論が,日本の実践のなかで検証され,さらに,それが理論の発展に貢献している希少な例といえよう。国を超えたこの対話のプロセスを,ニューマン本人や,彼女の理論を検証している研究者たちがとても喜んでいることを,メーリングリストのメンバーに配信されるメールで感じている。
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