焦点 看護研究におけるアフォーダンスの可能性
アフォーダンス理論からみた排泄行動―点滴スタンドの有無による変化に焦点を当てて
川原 由佳里
1
1日本赤十字看護大学
キーワード:
生態心理学的アプローチ
,
アフォーダンス理論
,
看護技術
,
生活行動援助
,
排泄行動
Keyword:
生態心理学的アプローチ
,
アフォーダンス理論
,
看護技術
,
生活行動援助
,
排泄行動
pp.539-548
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100345
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研究の背景と動機
排泄行動は,人が自立した生活を営む上で重要な行為であり,プライバシーや尊厳とも関連して,人々がいつまでも自立して行ないたいと考える行為である。看護では,排泄行動にともない,病気や高齢に関連した転倒や転落などの事故が起こりやすいことから,その援助は,対象者の尊厳を守り,自立を促進するとともに,危険を防ぎ,安全を守るという観点から記述されてきた。
これまで排泄行動に関する研究では,機能障害をもつ人々の行動パターンを明らかにするものがある。例えば脳血管障害(川上ら,2003),認知症(長倉,2003,辻下ら,2004),大腿骨折(高橋・片平・岩崎,1995),身体障害(池内ら,2000)などをもつ人々の排泄行動が調査され,類型化されている。またトイレの理想的な設計を見極めるため,被験者の重心位置の変動等の測定を通じて,手すりや操作盤の位置,便座の寸法,座面の高さを検討している研究(寺田・高橋・島木,2004)もある。
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