焦点 理論・研究・実践を総合するリフレクション
看護基礎教育におけるリフレクションの実践―神戸大学医学部保健学科の試みから
田村 由美
1
1神戸大学大学院保健学研究科
キーワード:
看護基礎教育
,
教育実践
,
リフレクション学習
,
看護実践過程
Keyword:
看護基礎教育
,
教育実践
,
リフレクション学習
,
看護実践過程
pp.197-208
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100307
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はじめに
「リフレクションは思考のスキルである。だから,トレーニングをすれば身につけることができる」と筆者は考えている。そして,リフレクションを,看護実践能力を育成・向上するための学習ツール(道具)として実際に活用する方法について,発表してきた(田村,2007;田村,2007)。現在のところ,どのようなトレーニング(学習)をすればリフレクションの思考の仕方が身につくのか,また,リフレクションと看護実践能力とは実際に相乗作用があるのか,などについては実証されているわけではない。可能性がある,という程度の確証である。それは,すでにリフレクションの学習が広く浸透している欧米の文献をみても同様の状況である(Tate & Margaret, 2004)。
本稿では,筆者の行なってきたリフレクションの実践例を紹介し,リフレクションが,学習ツール(道具)として活用できる成果ある学習方法であること,ならびに目的的か間主観的(intersubjective;看護の現象は患者と看護師が2つの個性的な存在,すなわち主体と主体の相互関係が基盤となっているなかで生じる)な看護実践過程であることを検討する。
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