焦点 日本の看護師の労働環境の実態―リンダ・エイケンとの共同研究
翻訳〈巻頭言〉国際的な病院アウトカム研究
Linda H. Aiken
1
,
金井Pak 雅子
2
1Center for Health Outcomes and Policy Research, School of Nursing, University of Pennsylvania, USA
2東京女子医科大学看護学部
pp.574
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100279
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世界的な看護師不足と各国の病院のケアの不均衡に呼応して,国際的な病院アウトカム研究(the International Hospital Outcomes Study;IHOS)として,ヘルスアウトカム・政策研究センターが1997年に開設されました。研究の目的は,看護がいかにケアの質に影響しているか,そして病院における人的資源に関連する方針がいかに看護師不足に衝撃を与えているかについて把握することにあります。医療の仕組みや経済状況が国によって異なっていても,看護師の離職防止がうまくいっていないことや,患者のアウトカムがよくないことに対する説明が似ているならば,いずれかの国で展開された解決策は,他の国においても適用が可能です。諸外国において看護師の離職防止や質の高い病院ケアと関連があるいくつかの実践としては,看護師にとってフレキシブルな労働時間,パートタイムとして働く選択の有効性,週40時間未満の就労,理にかなった患者対看護師比率,意思決定への看護師の参画,そして医師─看護師関係のよさが挙げられます。
IHOSは5か国(米国,カナダ,イギリス,ドイツ,ニュージーランド)の看護師の研究者による8つの学際的な研究チームから始動しました。それ以来,この研究活動は,16か国に拡大しています。日本での研究は東京女子医科大学の金井Pak雅子教授のリーダーシップの下にあります。アジアの他の参加国はタイと韓国です。
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