特集 研究者育成のための質保証におけるグローバルスタンダード
フィンランドにおける看護研究者育成の現状と課題
佐々木 明子
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
キーワード:
フィンランド
,
看護学教育
,
大学院教育
,
「フィンランドの看護学の博士プログラム」
,
質保証
Keyword:
フィンランド
,
看護学教育
,
大学院教育
,
「フィンランドの看護学の博士プログラム」
,
質保証
pp.39-46
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100616
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フィンランドの看護学教育
欧州連合(EU)には2011年11月現在で27か国が加盟しており,フィンランドは,1995年に加盟した。ソルボンヌ宣言(1998),ボローニャ宣言(1999)に基づき,フィンランドは高等教育と研究調査のための,ヨーロッパ圏内で統一された制度を導入した。これにより2009年現在,フィンランドの大学および応用科学大学(保健医療福祉などの専門職業人育成の教育や研究を主とする大学)は,ヨーロッパ圏内における高等教育および研究調査が可能な地域として認められている(Kitinoja/佐々木,田沼,中嶋訳,2010)。そのため,フィンランドの大学で行なわれる看護学教育は質の高い教育を保持していると考えられる。
フィンランドの教育システムは,図の通りである(Seinajoki University of Applied Sciences, n.d.)。看護学教育に関する高等教育には,保健系の応用科学大学および大学での教育カリキュラムがあり,保健系の応用科学大学および大学では,学士,修士の学位が取得できる(表)。博士の学位は,大学において取得できる。フィンランドで看護学の教育と研究に特化して修士課程,博士課程を設けている大学は,オウル大学,東フィンランド大学(前クオピオ大学),タンペレ大学,トゥルク大学,オボ アカデミイ(ヴァーサ)の5大学である。
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