焦点 博士課程院生のための研究法特別講義
[研究の実際]
アクションリサーチ―実践家ナースと看護教育者・研究者のパートナーシップ
嶺岸 秀子
1
1北里大学看護学部
pp.269-277
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100242
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アクションリサーチ(action research,以下AR)とは実践と研究と理論をつなぐ研究方法であり,現状に変化を生み出すことを意図している点が特徴的です。ARの創始者として知られているKurt Lewin(1890-1947)は,社会・実験心理学者で,アメリカに亡命後,人種間の差別など社会的な問題に関心を寄せました。そして,研究と理論と社会実践を結びつけたARを推奨しました。同時代の教育者であるJohn Dewey(1859-1952)も「研究というのは実践に還元できるべきだ」と唱え,Lewinの「よき理論ほど実践的なものはない」と同じ考えを抱いていました。
ARの文献をCHINALで検索すると(図1),看護の分野では1970年代以降に散見されます。1990年代になると毎年2-5件で,1995年以降は一挙に増大しています。しかし,わが国では1999年くらいから見られるようになったものの,少ないのが特徴です。
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