Japanese
English
焦点 看護安全への認知的アプローチ
医療機器のユーザビリティとそのテスト方法―医療安全への認知工学的アプローチ
Cognitive Usability Testing for Medical Equipments: Cognitive Engineering Approach to Safety in Medicine
原田 悦子
1
,
鹿野 優
2
Etsuko Harada
1
,
Yu Shikano
2
1法政大学社会学部
2全日空システム企画(株)基盤ソリューション部
キーワード:
認知工学
,
ユーザビリティテスト
,
輸液ポンプの安全性
,
使用安全
Keyword:
認知工学
,
ユーザビリティテスト
,
輸液ポンプの安全性
,
使用安全
pp.139-158
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100083
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医療安全と認知工学
近年注目を集めている医療現場での事故・インシデントのなかでも,特に医療機器・医療用具の問題は大きくクローズアップされてきている。川村(2000)の注射・与薬業務におけるヒヤリ・ハット報告事例の分析のなかにも,表1に示すような輸液ポンプやシリンジポンプといった医療機器の操作にまつわるエラーが報告されている。
原田(2000)は,認知工学の視点からこれらのインシデント報告と用いられていた医療機器のデザインとの関係を検討している。認知工学とは,「モノをよりよいものにしていくために,人の認知的過程を検討することによって,モノのデザインを評価・検討していく研究領域」である(原田,1997)。ここで述べるモノとは,人工物(artifacts)とも呼ばれ,私たちの身の回りにあるもので,何かの目的のために作られ,使われているモノ全般を指す。最も身近なものはいわゆる道具であるが,目にみえないシステム全体(例えばクレジットカードシステム)や,制度・ルール(例えば勤務体制や介護保険法)なども含まれる。これらに共通しているのは,「(誰か他の)人が作った」ものであり,したがって「作り直す(デザインをし直す)」ことができる,という点である。
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