特集 今を読み解くキーワード集
(F)行政評価
アカウンタビリティ
福永 一郎
1
1香川医科大学人間環境医学講座衛生公衆生学
pp.1054-1055
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902332
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定義・語義
アカウンタビリティ(accountability)は,通常,説明責任と訳されている。
アカウンタビリティは,権限(裁量)の拡大と関係がある。欧米社会では,通常,上司と部下の関係は,上司が部下に対して,業績目標を達成する責任と引き替えに,それを達成するための一定の権限を委譲する関係であり,その代わりに部下は業務についての説明義務を上司に対して負っている関係となり,その説明責任がアカウンタビリティであるという(宮川1999)。この関係を行政に持ち込んだものが行政評価で言うアカウンタビリティであって,行政に政策執行権限を与えた議会と公共財の提供者である住民に対して,行政は政策執行の成果を説明する義務を負っているという関係となる。このように,アカウンタビリティは委譲された権限について,その権限を行使した結果を委譲した者に対して説明する義務がある,という考えから発生しているものである。
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