焦点 新しいケアの創造に向けたがん患者・家族の理解
小児がん経験者(Survivors of Childhood Cancer)の発達的移行の検討
松尾 ひとみ
1
1福岡県立大学看護学部
キーワード:
小児がん経験者
,
発達的移行
,
小児看護
Keyword:
小児がん経験者
,
発達的移行
,
小児看護
pp.205-213
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100067
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はじめに
小児がんの患者の70%は治癒する時代となり,従来にはなかった長期生存による問題がクローズアップされるようになってきた(表1)。これらの諸問題に対し,近年ではフォローアップ外来等で小児期に小児がんに罹患した人(小児がん経験者)へのアフターケアがシステム化されてきたが,システムを利用する側の子どもの立場からみたこの現象がどのようなものであるのかは明確ではない(石本・吉田,2004;気賀沢・田渕,2004)。
本稿では,小児がん経験者が,子どもから大人への変化の過程に適応するケアを行なうための前段階として,小児がん経験者の大人になる過程に起こっている現象と,それに関わる現在の医療とのダイナミクスを明確にするため,日本の小児がんに関する文献をもとに発達的移行という視点から整理した。
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